中学受験 入試の作問者を知れ!

孫子の兵法の一節「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」は、『戦いに勝利するための極意』として古今東西数多くの戦略家に影響を与えてきました。しかし、『受験』という人生を分ける大きな勝負事に、この極意を意識して臨む受験生はあまりいません。ここでは受験において知るべき「敵(相手)」について掘り下げたいと思います。


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中学受験で戦う相手を知れ!
当ページの項目

  • 敵はライバルだけではない!
  • 受験では常に作問者に合わせろ!
  • 実際の入試問題は、塾の問題とは全く違うことを知れ!
  • 塾の問題と実際の中学受験入試問題
  • 最も重要な問題は塾にはない!

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中学受験の敵はライバルだけではない!

一般的に、受験の敵は他の受験生(ライバル)と考えられがちです。 しかしそれでは「敵を知る」として不十分。

 受験とは特殊な戦いで、のぞむに当たって受験生には実はもうひとり大きな敵が立ちはだかっています。

 それは、問題を作った作問者です。

この存在は戦略上非常に重要で、これを無視して受験をすれば間違いなく負け戦になってしまうでしょう。

中学受験では常に作問者に合わせろ!

  受験において、最も意識をしなくてはならない相手は作問者です。
なぜなら作問者こそが点数を握っていて、あなた(またはあなたのお子様)の点数を何点にするか、決めることができるからです。

 作問者は試験場の裏に隠れていて目に見えない存在に感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
当然試験の文面として表に表れている存在です。

 

「問題をよく読め」というアドバイスをよく聞く(または子供にそう言う)かもしれません。

でもこれでは、本人は一所懸命読んでいるつもりでも読み落としてしまうことが生じてしまうかと思います。

 

こういう場合は、「作問者はあなたのことを試そうとしています。」というふうに、子供に作問者の存在を意識させるようにすると、うまくいく場合があります。

本当は、問いの読み方にも多くのテクニックがあるのですが


 重要なことは、「自分が解く、解いてやる」という自分が主体の感覚ではなく、「自分が作問者(相手)に合わせる」という謙虚な態度が必要だということです。

多くの受験生は、そのような意識の存在すら知らないでしょう。


実際の入試問題は、塾の問題とは全く違うことを知れ!

  当然ですが、塾のテスト問題と実際の入試問題とでは作問者が異なります。
しかしそんなことはどうでもよいことと捕らえている受験生が大半でしょう。
このように私が指摘しなければ、気にする機会もないのが現実です。

 

けれども、この無感覚が生徒本人の成長を止めています。  実は、塾のテスト問題と実際の入試問題とでは、作問の目的からして違うのです。


 塾のテストはそれまでの単元(塾問題)の復習的な色合いが大きいのに対して、実際の入試問題(特に進学校)は卒業後に当校のPRになる人材の発掘という点に趣旨があります。
 卒業後のPRになる人材というのは、進学校ならズバリ有名大学進学者になりえそうな受験生ということです。

 では、有名大学進学者になりえそうな受験生とはどういう生徒なのか。

上位校の入試問題を分析すると、「塾の言うとおりに勉強してきたまじめな生徒よりも、『頭が回る生徒』、『頭がつかえる生徒』がほしい、というメッセージが共通して強く伝わってきます。

 塾のテスト問題は日ごろの使っている教材の延長的な問題なのに対して、上位校の問題は非常にオリジナリティのあふれる問題が中心になっているのは、こういう点の現われなのです。

 その点を踏まえて、勉強するときは、常にこの問題そっくりに出ると考えず、聞かれ方を逆にされたらとか、単位や条件を変えられたらということを想定して勉強することをお勧めします。

  

このようにちょっと気を配るだけで、頭が固まらなくて済みます。

塾の問題と実際の中学受験入試問題

ここで反論もあるかと思います。
 うちの子が通塾している塾では、実際の入試問題をつかって教えているといっていたから、その辺の配慮は要らないのではないか、という反論です。

 確かに実際の入試問題をつかって教えているという塾もあるかと思います。

 しかしそれであっても、中学受験には一般的な型のようなものがあって、それに匹敵するかなり過去の問題が選択採用されているはずなのです。すなわち塾にとっては、自分たちが教えやすい都合のよい問題を選んでいるわけです。

 一方素人目からは、問題作問者は普段は学校の教諭なので、塾の講師のほうが中学入試の問題には精通していると考えがちです。

 ところが、実際はそんなことはありません。

上位校に限らず中堅進学校であっても問題を見る限り、塾で教えている内容など十分熟知しているようです。そのうえで、色々変化をつけてきます。

 でも、これはなにも驚くことではありません。
 私立中学は、常に競争の中で経営という側面にさらされているのです。生徒の発掘というのは、学校にとっては生命線。塾の講師以上に研究するのが当然なのです。

 したがって、一般的な型を教えるために採用された問題と実際の入試問題として直面する問題とは、まるで種類が違うのです。


最も重要な問題は塾にはない!

作問者を知るということは、受験戦略上非常に重要なことです。
合格するだけなら、最も重要なことかもしれません。

 前に、塾のテスト問題と上位校の実際の入試問題とではまったく違う、といったことを書きました。

確かにそのとおりなのですが、さらに言えば受験生に求めるものは各校で微妙に違います。

 算数ひとつとっても、発想力こそすべてという学校もあれば、スピードも結構重視するという学校もあります。

 このように、各校の入試に対する考え方の相違があって、それが問題の形式・量・質・制限時間・配点・教科の順番などに反映されます。

 ここまで考えれば『塾の問題さえやっていれば十分』というのは、まったくの虚言であることがはっきりします。

 私は塾で与える問題をまったく否定する気はありません。
 実力の基盤をつくるうえで有効な問題はたくさんあることでしょう。

しかし時期によってはその目的とは外れた問題を大量にやらされている場合があります。

合格することが目的なのに、いつの間にか『塾でいい子になる』ことが目的になっています。

志望校が決まっているなら、最も重要な問題は過去問です。
過去問から『表現の特徴』『応用要素の特徴』『引っ掛け方(ワナ)の特徴』を押さえることは、数百問無関係な問題をわけもなく解くよりはるかに肝要です。

 過去問を分析して「作問者がどのような問題を作ろうとしているか」がわかれば、『相手を知る』という面ではこれ以上ない対策ができるでしょう。