嘘をつかせない


良好な親子関係を構築するうえで、常に気をつけてほしいことは、子供が嘘をついていないかどうかということです。例えば塾のテストやノートなどを隠すようになったり、わかってないのにわかっていると言ったりしたら注意です。ひどい場合は、自分で解いた問題が間違えているのに丸にして親に見せるという行為です。本人の正確な把握ができなくなったら、努力の方向を間違えたり、手遅れになる場合が出てきます。

小学生でいながら子供が親に嘘をつくようになったら、親はこれまでの子供への接し方に反省をしてください。悪い成績を見て、頭ごなしに怒鳴ったりしてないでしょうか?

本当に短期間だけだったのですが、私が以前見た家庭で大変な家庭がありました。子供は6年生と5年生の姉妹で、「受験塾以外に個別指導塾もつけているのに、なかなか成績が良くならないので見てほしい」という依頼でした。お母様の話では、「ふたりともいまは成績は悪いけれども、ちょっとしたきっかけでよくなるだろうと思う」という認識でしたが、実際はすでに算数の根本から全然わかってなく、基礎の基礎すらない最低と言って良い状態でした。私の報告で、母親は初めて危機的な状況と認識したようでしたが、それは時期的に受験を諦めるほどのダメージとなりました。

母親の状況把握が遅れた原因はいくつかあるのですが、ひとつは子供が嘘をついていたというのがありました。内容がわかってないのにわかったふりをしたり、計算の操作だけをテスト前日に必死で覚えて簡単な数問を取り、最低限の点数は確保して、一応わかっているふりをしたのです。しかしその原因は、母親の子供に対する態度にありました。お母様は常に気持ちの起伏が激しく、塾のテストの成績が悪いということを、それはちょっと言えないヤクザのようなひどい言葉で、子供に怒鳴り倒すのを常日頃やっていたのです。子供は母親が怖くて、嘘をつくしかないほどまで追い込まれていたのです。

親は子供がどんな状態であっても、常に味方であることを伝え続けなくてはいけません。

ダメならダメなりに、どうしたら良い方向に行くかという点で話ができなくてはいけないのです。「こんな成績取りやがって!」という抽象論で怒鳴ることは、百害あって一利もないことを知るべきです。怒りたかったら、「こういうことをしろ。こういうことはするな」といった具体論でした方がよほどマシなのです。